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丹野 敬嗣; 矢野 康英; 岡 弘; 大塚 智史; 上羽 智之; 皆藤 威二
Nuclear Materials and Energy (Internet), 9, p.353 - 359, 2016/12
被引用回数:9 パーセンタイル:64.88(Nuclear Science & Technology)核融合炉のブランケットおよび高速炉の燃料被覆管といった炉内機器の材料は、高熱流束と中性子重照射にさらされるため、高温強度と耐照射性に優れている必要がある。その候補材料として酸化物分散強化型(ODS)鋼の開発が進められている。原子力機構(JAEA)では先進高速炉の燃料被覆管用に9Crおよび11Cr-ODS鋼の開発を進めている。本研究ではJAEA-11Cr-ODS鋼を圧延し、その異方性を評価するため、圧延方向と横断方向について引張試験とクリープ試験を700Cで実施した。その結果、引張強さでは異方性を示さなかったが、クリープ強度では明瞭な異方性を示した。各種観察と元素分析の結果、クリープ強度異方性はTi析出物を内包した旧粉末境界が原因であると分かった。
福田 匡*; 阿佐部 和孝*; 池田 浩之*; 山本 祐義*; 松本 一夫*; 福本 博志*; 森本 福男*
PNC TJ9009 96-002, 172 Pages, 1995/10
酸化物分散強化型(ODS)フェライト鋼は耐スエリング性と高温強度に優れることから、大型高速実証炉を対象とした長寿命燃料被覆管材料として注目されている。ODSフェライト鋼の被覆管への適用性を評価するために、本年度は、昨年度に引き続き再結晶組織の導入による強度異方性及び延性・靱性の改善を目的とした検討を実施した。昨年度は、13Cr-3W-0.4Ti-0.25Y2O3(過剰酸素量;0.10wt%)を基本組成とした結果、繰り返し再結晶が不十分でであった。そこで本年度は再結晶がより容易と考えられる成分系13Cr-3W-0.4Ti-0.25Y2O3(過剰酸素量;0.07wt%)を基本組成として選定し、繰り返し再結晶により最終的に再結晶組織を有する被覆管製造条件の検討を行い結果を得た。
西口 勝*; 阿佐部 和孝*; 福本 博志*; 竹本 直樹*; 久保 敏彦*; 平石 信茂*; 河村 伸夫*
PNC TJ9009 91-004, 149 Pages, 1991/08
動力炉・核燃料開発事業団では、高速実証炉用の燃料被覆管として、既に開発を終えた改良すS316鋼よりも強度及び耐スエリング性に優れた被覆管の開発が行われている。金属材料技術研究所は、燃料被覆管についての高温強度特性の的確な把握による設計基準の高度化を行う同事業団高温強度評価ワーキンググループに参加し、内圧クリープ試験の一部を分担している。本研究は、第13次、14次、16次及び18次試験に引き続いて、開発中の改良オーステナイト鋼の昭和62年度試作被覆管2種類(62AS材、62AK材)について、600度C、650度C、700度C及び750度Cにおける内圧クリープ破断特性を調べること、及び同被覆管2種類について700度Cにおける内圧クリープ試験によってクリープ変形データを取得することを目的として行ったものである。62AS材、62AK材の内圧クリープ破断強度を比較すると、62AK材の方がやや高い強度を示した。62AS材は、昭和60年度試作被覆管(60AS材)に比較して短時間側でやや高い強度を示したが、長時間側ではほぼ同等の強度を示した。62AK材は昭和60年度試作被覆管(60AK2材)とほぼ同程度の強度を示した。62AS材及び62AK材について700度C・フープ応力70MPaで断続内圧クリープ試験を行い、クリープ変形データを取得した。62AK材の方が62AS材よりも大きなふくれ率を示した。なお、62年度試作材は60年度試作材と化学成分は同等であるが固溶化熱処理条件と冷間加工率を調整した材料であり太径薄肉の被覆管となっている。